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勝負(2)

 何故、こんな事になったか。簡単に説明をしよう。
 顧問が不在で、何時もより早く部活が終わろうとしていた。
 終わりまじかと言うところで、常盤先輩が、部長と一~二言、言葉を交わした後。
 僕に向かって言う。
 「村雨くん。賭けは好き?」
 「賭けですか?まぁ、嫌いではないです」
 「じゃぁしようか?」
 「はぁ?」
 「剣道勝負で、負けたほうが相手の言うことを聞くってどう?」
 何を言い出すのだろうか?この人は………丁重にお断りしようとした時
 「いいじゃん。やりなよ」
 「はいぃ!」
 横から部長殿が口をはさむ。
 「いいじゃん、さめっちはスキルアップの良い機会だし。みもっちは欲望を果たせるんだから」
 その声と同時に周囲から、“やれやれ”だの“何事も経験だ”等の無責任な声があがる。
                   ――人の不幸は蜜の味――
 糞!この部活には、悪魔しか居ないのか?いや、神はまだ地上に居られる。
 副部長なら、無骨で実直な副部長ならなんとかしてくれる。
 希望と期待を宿した目で、副部長を見る。僕にとって、この瞬間だけのメシアは満面の笑みを浮かべて僕の肩に手を置いた。
 「お前の“負けないが勝てない剣道”をなんとかしないと思っていたんだ。鍛えてもらえ」
                     ――神は死んだ――
 僕は心の中で慟哭の叫びを上げた。
 
 
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勝負(1)

 分の悪い賭けは嫌いではありませんが、勝算の無い戦いは之ほどまで絶望的とは。
 白に包まれた世界から帰還してくる視界の中で、僕はそう思った。
 クリティカルな面を喰らい白に染まった視界が徐々にクリアになってくる。
 「面あり!」
 「よくやるねぇ~」
 「がんばれ~」
 やる気の無い声援と、妙に気合の入った審判の声を聞きながら開始戦に移動。面で非常に狭くなった視界の中で、相手を見据える。
 白い剣道着に黒の袴、鮮血の様に紅い胴以外は標準装備で、面越しに此方を見つめる視線は得物に襲い掛かる猛禽のようである。
 その視線に見据えられ抵抗する気概が吹き飛びそうになるが、竹刀を強く握り直し、相手を睨み返すことで心を踏み止まらせる。
 「降参する?」
 目の前に居る圧倒的な存在が僕に声をかける。その澄んだアルトが、さに僕を追い詰める。
 「いいえ、まだいけます」
 僕は出来るだけ大きな声を出して答える。
 それに対し、眼前の女性、常盤御守(トキワ・ミモリ)先輩は、艶かしく舌なめずりし。実に楽しそうな声で僕に言う。
 「そう、じゃぁ。始めましょう」
 それを言うと、先輩は審判に軽く頷く。
 「始め!」
 「いぃやぁぁぁ!」
 開始の合図と供に僕は、気合の声を上げて先輩に向かっていく。
 彼我の実力差は圧倒的であったが、僕は引くわけにはいかなかった。なぜなら、この試合には、自分自身の身が懸かっているのだから…

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いずれ

この国に、昼と夜の差は明るさと電車の本数以外の違いはあるのだろうか?
既に、休日と平日の差は無きに等しく、皆蟻か蜂の如く忙しなく働いている。
技術の進歩は彼らを幸せにするだろうか?
働き続ける為に体を機械化し、効率よく働くために脳にナノマシンを入れる。
そんな未来しか無いのではないか?

『墓堀人の舞踊』

 『アンダーティーカー、こちらコロネード。舞踏会の準備は整った。招待状は届いているかね?』
 まるで親が子に言う様な声で、此方に呼びかける声に軽い苦笑を浮かべながらも、早期警戒空中指揮管制機(AWACS)の機内で光点として表示されている私達を見つめている、古参の管制官の問いに答えるべくアテナは無線のスイッチを弾いた。
 「コロネード、こちらアンダーティーカー11、アテナ。今会場にナイトくんの馬で向かっている所よ。ヒルトは自分で馬を操っているみたい。後ろのジークが目を回していないかしら?」
 歌う様に喋る彼女に別の女性の声が割り込んだ。冷静を装っているが、不機嫌であり。なおかつそれを隠す演技を行い、相手に自分は不機嫌だとはっきり伝える声である。
 『コロネード、こちらアンダーティーカー12、ヒルト。此方も会場に向かっている最中、ジークは平然としているわ』
 女同士の果て無く醜い言い争いが始まりそうなのを察知したのか、自分の苗字を英訳したコールサインを持つ管制官は話を始める。
 『アンダーティーカー、こちらコロネード。そろそろ会場だ。以後、ラジオは緊急事態を除いて使用禁止……幸運を祈る』
 それを最後に回線が閉じられ、二羽の鋼鉄の猛禽は高度を下げてゆく。


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いいなぁ~



軽くテスト。
この曲良いな~

はぁ

最近、正気が保てないと書いたのだが。
正気は辛うじて保っている。
しかし、脅威的なのは10時を超えて来店されるお客様である。

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プロフィール

飛龍瑞鶴

Author:飛龍瑞鶴
喉に傷跡があるハゲ入道。
自称:唄って踊れる三枚目
共産趣味者にして、軍事愛好家

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